木曜日の放課後、化学実験室のドアを開けると、試験管を振りながら加熱している生徒の姿がありました。
このとき、高校化学部が取り組んでいるのは、有機化学の定番である「エステル合成」の実験でした。

エステルとは、果物などの芳香成分となる物質のこと。
まず取り組んだのは酢酸とエタノールから合成される『酢酸エチル』。
先生は「昔、駄菓子屋さんで売っていた、赤いストローで膨らませる透明なシャボン玉の匂いだよ、これは。」と話すも、生徒らは「んー、、、わかります」と反応が薄い感じ、、、残念。
それならば!ということで、保管庫にある酢酸エチルのビンを持ってきて、同じ香りが化学反応によって自分たちの手で再現される瞬間に、実験室は一気に活気づきます。

エステルは組み合わせ次第で、パイナップルやバナナなど、様々なフルーツの香りに変化します。

ある部員はバナナの香りを狙って実験に挑戦!しかし、出来上がった液体を恐る恐る嗅いでみると……「あれ?バナナじゃなくて、ガソリンスタンドの匂いがする!」という予想外の結果に、みんなで大爆笑。
教科書の知識通りにいかないからこそ、科学は面白い。
失敗すらも笑顔で分析し、次の探究へと繋げていく。
そんな久我山生の生き生きとした知的好奇心と、豊かで頼もしい「きちんと青春」のワンシーンでした。