第1章 総則
(⽬的)
第1条 國學院⼤學久我⼭中学⾼等学校は、⽇本国憲法に掲げる基本的⼈権の尊重、法の下の平等の精神に則り、校内におけるハラスメントの防⽌及び排除の措置、並びにハラスメントが発⽣したときに迅速かつ適正に対処することによって⽣徒・教職員等の本校構成員(以下「本校構成員」という。)が学習・教育・及び 環境を実現することを保障するため、本規程を定める。
(ハラスメントの定義)
第2条 本規程におけるハラスメントとは、他の構成員の意に反する発⾔や⾏動によって、精神的若しくは⾝体的損害を与えること、⼜は個⼈の尊厳若しくは⼈格を侵害することをいい、具体的には次の各号に掲げるものをいう。
(1) セクシュアル・ハラスメント
本校構成員が、修学、課外活動、教育・指導⼜は就労の環境において、他の構成員の意に反する性的発⾔や⾏動により、その者に修学、課外活動、教育・指導⼜は就労における不利益⼜は不快感を与えること。
(2) パワー・ハラスメント
本校構成員が、課外活動、就労における優越的な関係を利⽤した他の構成員に対する不適切で業務上必要かつ相当な範囲を超えた不当な発⾔や⾏動により、その者に⾝体的・精神的な苦痛⼜は修学、課外活動、教育・指導⼜は就労における不利益を与え、あるいはその修学、課外活動、教育・指導⼜は就労を困難にすること。
(3) その他のハラスメント
前各号に明確には該当しないが、個⼈の尊厳⼜は⼈格を否定して、特定⼜は不特定の他の構成員に、不利益、不快感、脅威、屈辱感等を与えること。
2 前項の内容については、第7条に規定する「國學院⼤學久我⼭中学⾼等学校ハラスメント防⽌・対策ガイ ドライン」(以下「ガイドライン」という。)に具体的に例⽰し、本校構成員に周知する。
(適⽤範囲)
第3条 本規程は、本校の学校内外を問わず、授業、⽣徒指導及び勤務、さらに課外活動等の時間の内外を問わず、次の各号に掲げる本校構成員の間におけるハラスメントについて適⽤する。
(1)⽣徒
(2)保護者
(3)教職員(専任・常勤・⾮常勤の教員及び専任・常勤・臨時の事務職員・校務員その他の職員等、本校に就業するすべての教職員。以下「教職員」という。)
(4)学外者(委託業者⼜は派遣契約業者等、本校の業務遂⾏に関わる者。以下「学外者」という。)
2 本規程は、本学構成員と学外者の間におけるハラスメントについて、当事者間に本校の関知している職務上⼜は教育・指導上の利害関係がある場合の取扱いは、以下のとおりとする。
(1)ハラスメントの⾏為者が本校構成員である場合は、本規程を適⽤する。
(2)ハラスメントの⾏為者が学外者である場合は、本校は、本規程を準⽤して解決に必要な措置を講じるよう努めるものとする。
(本校の責務)
第4条 本校は、第1条のハラスメント防⽌の⽬的を達成するため、本校構成員に対して継続的な啓発活動を⾏い、かつ、構成員に関するハラスメント事案(以下「事案」という。)が発⽣した場合に、迅速かつ適切な措置を⾏うために必要な組織体制を整備し、⼈的要員を配置する。
2 本校は、ハラスメントによる⼈格を侵害する発⾔や⾏動に対して厳しい姿勢で臨むものとし、ハラスメントの事実関係が認定され、修学、課外活動、教育・指導⼜は就労の環境改善が必要と認められた場合は、すみやかに必要な措置を講じる。
3 本校は、前2項の⽬的を達成するため、第6条に定めるハラスメント防⽌・対策委員会を設置する。
(役職者及び構成員の責務)
第5条 國學院⼤學久我⼭中学⾼等学校校⻑・副校⻑・教頭・男⼥部⻑・⽣活指導部⻑・教務部⻑および事務⻑は、校内のハラスメントの防⽌に努めるとともに、次の各号に掲げる事項に応じなければならない。
(1) 第6条に定めるハラスメント防⽌・対策委員会からのハラスメント防⽌啓発⼜は排除の協⼒要請
(2) 第30条に定める校⻑から命じられた措置の実施
2 本校構成員は、ハラスメントが⼈格の侵害であることをよく認識し、ハラスメントのない修学、課外活動、教育・指導⼜は就労環境の維持に努めなければならない。
3 本校構成員は、相談を⾏った者(以下「相談者」という。)及び対処⼿続きの申⽴てをした者(以下「申⽴⼈」という。)に対する保護及び⽀援に協⼒しなければならない。
第2章 ハラスメント防⽌・対策委員会
(設置)
第6条 本校は、ハラスメントの防⽌と排除のため、また、ハラスメント問題が⽣じた場合に適切な対処を⾏うため、ハラスメント防⽌・対策委員会(以下「防⽌・対策委員会」という。)を置く。
(任務)
第7条 防⽌・対策委員会は、次の各号に掲げる事項を⾏う。
(1)ハラスメント防⽌についての施策⽴案・実施に関する事項
(2)ハラスメント防⽌のための啓発及び研修に関する事項
(3)ガイドラインの策定及び改廃に関する件
(4)ハラスメント問題にかかる申⽴てに関する事項
(5)緊急・仮の措置に関する事項
(6)ハラスメントに関する本学の取り組み及び概要の公表に関する事項
(7)その他、ハラスメントの防⽌及びハラスメント問題の対策に関する事項
2 防⽌・対策委員会は、次の各号に掲げる委員会を設置するものとする。
(1)第11条に定めるハラスメント相談委員会
(2)第17条に定めるハラスメント調停委員会
(3)第21条に定めるハラスメント調査委員会
3 防⽌・対策委員会は、緊急・仮の措置については、ハラスメント調査委員会に権限を委譲することができる。
4 防⽌・対策委員会は、ハラスメント調査委員会を設置した場合には、その旨を当該事案の申⽴⼈、申⽴てをされた者(以下「被申⽴⼈」という。)双⽅(以下「当事者」という。)に通知する。
5 防⽌・対策委員会は、第24条に定めるハラスメント調査委員会委員⻑からの当該事案に関する事実関係の調査報告に基づき、ハラスメントにあたるか否かの認定を⾏うものとする。
6 防⽌・対策委員会は、前項にかかる認定の結果を、当事者に対して書⾯により通知するものとする。
7 第5項において、ハラスメントにあたるとの認定がされた場合は、校長および國學院大學久我山中学高等学校運営委員会(以下「運営委員会」)へ報告するものとする。なお、報告に際しては、当該ハラスメント問題の解決についての対策案を添えるものとする。
(構成及び任期)
第8条 防⽌・対策委員会は、次の委員をもって構成する。
(1)副校⻑
(2)教頭
(3)男⼦部⻑・⼥⼦部⻑
(4)⽣活指導部⻑
(5)教務部⻑
(6)保健衛⽣委員会主任
(7)運営委員会にて選出された運営委員
(8)事務⻑、専任職員の総意にて選出された専任職員
(9)ハラスメント相談委員会委員⻑
(10)その他校⻑が指名する者
2 前項のほか、防⽌・対策委員会は、特定の専⾨的事項の審議をするために学内の教職員、スクールカウンセラー、顧問弁護⼠、学内外の医師等の出席を求めることができる。
3 前項の委員を除く他の委員の任期は2年とし、再任を妨げない。
4 当事者は、当該事案に関わる防⽌・対策委員会の審議及び決議に参加することはできない。
(委員⻑等)
第9条 防⽌・対策委員会には委員⻑及び副委員⻑を置く。
2 委員⻑は、副校⻑がこれにあたり、委員会を招集する。
3 副委員⻑は、第8条第1項に定める構成員から校⻑が指名し、委員⻑に事故あるとき、及び委員⻑がハラスメントの当事者となった場合には、その職務を代⾏する。
(委員会)
第10条 防⽌・対策委員会は、年2回開催する。ただし、防⽌・対策委員会委員⻑が必要と認めた場合には、随時これを招集することができる。
2 防⽌・対策委員会は、校⻑が必要と認め、かつ、申⽴⼈の了解が得られた場合には、当該事案の概要を学内において公表する。
3 委員長は、第7条に定める任務に関する事項について、校長および運営委員会へ報告する。
第3章 ハラスメント相談委員会
(⽬的)
第11条 ハラスメント相談委員会(以下「相談委員会」という。)は、ハラスメントに関する相談等に対処することを⽬的とする。
(任務)
第12条 相談委員会は、防⽌・対策委員会の⽅針に基づき、次の各号に掲げる事項を⾏う。
(1)ハラスメントの相談に関する事項
(2)ハラスメントの解決申⽴ての内容説明に関する事項
(3)申⽴てがあった場合の防⽌・対策委員会への報告原案の作成に関する事項
(4)ハラスメント防⽌教育・研修等の企画原案の作成に関する事項
(5)防⽌・対策委員会により決定された前号のハラスメント防⽌教育・研修等についての実施に関する事項
(6)相談員の研修に関する事項
(構成及び任期)
第13条 相談委員会は、次の相談員をもって構成する。
(1)各課程から選出された専任教員 各1名
(2)専任教員の総意にて選出された専任教員
(3)職員
(4)スクールカウンセラー
(5)その他校⻑が必要と認めた者
2 相談委員会の構成は、男⼥同数となるよう努めなければならない。
3 相談員の任期は1年とし、再任を妨げない。
4 相談委員会委員⻑が必要と認めた場合には、防⽌・対策委員会委員⻑の許可を得て、学外の専⾨家を相談員とすることができる。ただし、その場合の任期は、当該事案に関する任務が終了するまでとする。
(委員⻑)
第14条 相談委員会には、委員⻑を置き、委員⻑は委員会を招集する。
2 委員⻑は、委員の互選により定めるものとする。
3 委員⻑は、第12条に掲げる任務に関する事項について、防⽌・対策委員会へ報告するものとする。
(委員会)
第15条 相談委員会は、年2回開催する。ただし、委員⻑が必要と認めた場合には、随時これを招集することができる。
(相談員)
第16条 相談員は、相談者からの相談があった事実、相談内容及びその対応についての記録を作成し、委員⻑に報告するものとする。
第4章 ハラスメント調停委員会
(⽬的)
第17条 相談者が被申⽴⼈に苦情があることを伝える「通告」の申⽴てをした場合、⼜は、被申⽴⼈との話し合いによる解決を求める「協議・調停」の申⽴てをした場合に、ハラスメント調停委員会(以下「調停委員会」という。)を置き、当該事案に対処する。
(任務)
第18条 調停委員会は、次の各号に掲げる事項を⾏う。
(1)苦情の伝達(以下「通告」という。)に関する事項
(2)当事者双⽅の話し合い(以下「協議」という。)に関する事項
(3)協議が成⽴しなかった場合の、調停案の提⽰に関する事項
(4)協議⼜は調停により合意した場合の、事後処理に関する事項
(5)協議若しくは調停をすることができなかった場合、⼜は、調停が成⽴しなかった場合の、事後処理に関する事項
(構成及び任期)
第19条 調停委員会は、防⽌・対策委員会委員⻑(委員⻑に事故ある時は副委員⻑)の他、被申⽴⼈の職階職種、所属、性別等を考慮し、防⽌・対策委員会委員⻑(委員⻑に事故ある時は副委員⻑)が防⽌・対策委員会委員の中から2名及び相談委員会委員から計2名を指名し構成する。
2 調停委員の任期は、当該事案に関する任務が終了するまでとする。
(委員⻑)
第20条 調停委員会に、委員⻑を置く。
2 委員長は、調停委員会構成員である防止・対策委員会委員2名のうち1名が任にあたり、委員会を招集する。
3 委員⻑は、第18条に定める任務に関する事項について、防⽌・対策委員会へ報告するものとする。
第5章 ハラスメント調査委員会
(⽬的)
第21条 次の各号に該当する場合に、ハラスメント調査委員会(以下「調査委員会」という。)を置き、当該事案に対処することを⽬的とする。
(1) 相談者から「調査と認定」の申⽴てがあり、防⽌・対策委員会が当該申⽴てを有効であると判断した場合。
(2) 相談者からの申⽴てがない場合であっても、運営委員会が当該事案について事態が重⼤で緊急の対処が必要と判断した場合。ただし、原則として相談者の同意を必要とする。
(任務)
第22条 調査委員会は、次の各号に掲げる事項を⾏う。
(1)当該事案に関する事実関係の調査に関する事項
(2)調査報告書の作成に関する事項
2 第7条第3項に定める防⽌・対策委員会による緊急・仮の措置についての権限の委譲があった場合は、調査委員会が緊急・仮の措置をとることができる。
(構成及び任期)
第23条 調査委員会は、次の委員をもって構成する。
(1)防止・対策委員会委員長が、防止・対策委員会委員の中から当事者の職階、職種、所属、性別等を考慮し指名する者
(2)防止・対策委員会委員長が、相談員の中から指名する者
(3)防止・対策委員長が、専任教職員の中から指名する者
2 防⽌・対策委員会が必要と認めた場合には、学外の専⾨家を調査委員会委員とすることができる。
3 調査委員会が必要と認めた場合には、委員以外の者の意⾒を徴することができる。
4 調査委員会の任期は、当該事案に関する任務が終了するまでとする。
5 調査委員会の委員は、複数の事案の委員を兼任することを妨げない。
(委員⻑)
第24条 調査委員会に、委員⻑を置く。
2 委員長は、第23条(1)に定める者の内、防止・対策委員長が指名する者が任にあたり、委員会を招集する。
3 委員⻑は、第22条に定める任務に関する事項について、防⽌・対策委員会へ報告するものとする。
(排斥)
第25条 調査委員会の委員は、次に掲げる場合には、その職務から排斥される。この場合、防止・対策委員会委員長は、必要に応じて他の委員を委嘱することができる。
⼀ 調査委員会の委員が、事案の当事者であるとき。
⼆ 調査委員会の委員が当事者の四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族であるとき、又はあったとき。
三 調査委員会の委員が当事者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。
四 その他調査委員会の委員と当事者の間に,調査の公正を妨げるべき事情が存すると防止・対策委員会が認めたとき。
(忌避・回避)
第26条 当事者は、調査委員会の委員について調査の公正を妨げるべき事情がある場合は、忌避の申⽴てをすることができる。
2 忌避の申⽴てをする場合は、その原因を記載した書⾯を防⽌・対策委員会委員⻑に提出しなければならない。
3 防⽌・対策委員会は、忌避の申⽴てがあった場合には、すみやかに当該忌避の当否を判断するものとする。
4 防⽌・対策委員会委員⻑は、忌避の申⽴てに理由があると認められる場合には、当該調査委員会の委員を当該事案の処理から除外し、必要に応じて他の委員を委嘱することができる。
5 忌避を申し⽴てられた調査委員会の委員は、第3項の忌避の当否の判断に加わることができない。
6 忌避の原因があると判断した調査委員会の委員は、防⽌・対策委員会委員⻑の許可を得て回避することができる。
7 第3項及び第4項の規定は、回避に準⽤する。この場合において、第3項中「忌避の申⽴て」とあるのは「回避の申し出」と読み替えるものとする。
第6章 相談及び解決⽅法
(相談)
第27条 本校の構成員は、この規程に基づき、相談員にハラスメントに関する相談をすることができる。
2 相談を申し出る⽅法は、第7条に定めるガイドラインに、別途定める。
(申⽴て)
第28条 申⽴ては、相談者が防⽌・対策委員会委員⻑に対し、別に定める書⾯をもって⾏う。
2 相談者が前項の申⽴てをできない場合は、代理⼈が申⽴てをすることができる。
3 申⽴ての種類は、次の各号に掲げるものとする。
(1)通告
申⽴⼈から苦情があることを、第17条に定める調停委員会が被申⽴⼈に通告することで解決を求める申⽴てをいう。
(2)協議・調停
申⽴⼈が、被申⽴⼈との話し合いによる解決を求める申⽴てをいう。
(3)調査と認定
事実関係の調査と、それに基づいてハラスメントの認定によって解決を求める申⽴てをいう。
(4)申⽴ては、ハラスメントが最後に⾏われたときから原則として1年以内に⾏うものとする。
(5)第3項第2号及び第3号の申⽴てがなされた場合は、防⽌・対策委員会が被申⽴⼈にその旨を通知する。
(6)申⽴ての⽅法は、第7条に定めるガイドラインに、別途定める。
(異議申⽴)
第29条 第7条第5項に定める結果について不服がある場合は、当事者が通知を受けてから⼀週間以内に、校⻑に対して異議申⽴を⾏うことができるものとする。
2 前項の異議申⽴は、郵便⼜は電⼦メールにより校⻑宛に申⽴書⾯を送付する。
3 運営委員会は、第1項にかかる異議申⽴に対し、前条第3項第3号に定める「調査と認定」が適切か否かを判断し、当事者に通知する。
第7章 校⻑による措置
(異議申⽴)
第30条 校⻑は、防⽌・対策委員会からの報告を受けたときは、次に掲げる措置を講ずるものとする。
(1) 協議・調停における合意に関して、防⽌・対策委員会からの報告に基づき学校としての対応が必要な場合についての措置
(2) ハラスメントであると認定された場合について、申⽴⼈の教育・研究、課外活動、修学、就労の環境改善に向けた措置
(3) ハラスメントであると認定された場合について、被申⽴⼈に対しての、就業規則⼜は学則の定めるところにしたがった措置
(4) その他、必要と認められる措置
2 校長は、防止・対策委員会からの報告を受ける前であっても、運営委員会において協議の上、必要な措置をとることができる。
第31条 校⻑は、次に掲げる措置を実施することについて、各所属⻑に対して命じなければらない。
(1) ハラスメントによって通常の⽣活が困難になった者に対する復帰や復職に向けた⽀援策の提⽰
(2) ハラスメント⾏為者に対する復帰⼜は復職に向けた教育的指導及び⽀援策の提⽰
第8章 留意事項
(守秘義務)
第32条 当該事案に関わるすべての者は、当事者及び関係者の⼈格を侵害することのないよう慎重に⾏動しなければならない。
2 本規程に定める委員会委員は、任期中及び退任後において、任務に関して知り得た個⼈情報等の内容を他に漏らし、⼜は不当な⽬的に使⽤してはならない。
(不利益取扱いの禁⽌)
第33条 本校構成員は、ハラスメントに関する相談や申⽴てを妨げてはならない。
2 本校構成員は、相談者や申⽴⼈、ハラスンントにかかる調査への協⼒及びその他ハラスメントに関して正当な対応をした者に対し、そのことをもって不利益な取扱いをしてはならない。
(虚偽の申し出等の禁⽌)
第34条 本校構成員は、ハラスメントの相談、申⽴て、調査等に際して、虚偽の申し出や発⾔を⾏ってはならない。
(職務の関与の制限)
第35条 校長は、第2章から第5章に定める各種委員会の構成員に当事者がいた場合は該当者をその職務に関与させない措置を取らなければならない。
(措置)
第36条 校長は、第32条、第33条又は第34条に違反した者に対し、就業規則又は学則により、適切な措置を講じる。
第9章 事務局等
(事務局)
第37条 ハラスメント防⽌・対策に関する事務は、庶務管理課がこれにあたる。
(改廃)
第38条 本規程の改廃は、運営委員会の議を経て、校⻑がこれを⾏う。
2 本校は、この規程の改廃について、全教職員及び⽣徒に対し、その旨の周知徹底を図るために必要かつ適切な措置を講ずるものとする。
附 則
この規程は、平成26年4月1日から施行する。
この規程は、令和4年4月1日から改訂施行する。
この規程は、令和6年4月1日から改訂施行する。
1.ハラスメント防止・対策ガイドラインの趣旨
本校は、建学の精神及び日本国憲法の精神に則り、ここで学び、研究し、働いている人たちが、それぞれ一個の人格を持つ人間として相互に尊重し合う学園を構築するため、「ハラスメント防止・対策規程」(防止・対策規程)を定めました。この防止・対策規程を具体的に解説し、ハラスメントのない環境づくりへの指針となるのが「國學院大學久我山中学高等学校ハラスメント防止・対策ガイドライン」(ガイドライン)です。ガイドラインは運用の状況に鑑み、定期的な検討・見直しを行います。
2.本校の責任と構成員の義務
本校は、セクシュアル・ハラスメントをはじめ、その他のいかなるハラスメントに対しても厳しい態度で臨み、快適な教育研究環境や職場環境を作ることに努めています。この責務を果たすため、本校を統率し代表する校長は、ハラスメントの防止と対策に関する責任を負っています。
また、本校において学び、研究し、働くすべての構成員は、人としての尊厳を侵害する「ハラスメントを起こさない」ことはもちろん、ハラスメント防止の意義を真摯に受け止め、「ハラスメントを起こさせない」という意識を一人ひとりが持つ必要があります。
3.ハラスメント防止・対策規程の対象
(1)防止・対策規程は、本校の構成員であるすべての生徒・教職員等を対象としています。「すべての生徒等」とは、本校の生徒、隣接する國學院本校附属幼稚園との連携授業にかかる園児など、本校で教育を受け研究をする関係にあるすべての者をいいます。「すべての教職員等」とは、専任・常勤・非常勤の教員及び教育実習生等、専任・嘱託・その他の職員等、課外活動指導者及び派遣・委託労働者などをいいます。
(2)防止・対策規程は、ハラスメントが本校の構成員相互間において問題となる場合には、学内・外、授業中・外、研究活動中・外、課外活動中・外、勤務時間内・外など、それが起こった場所・時間帯を問わず適用されます。
(3)防止・対策規程は、当事者間に本校の関知している職務上または教育研究上の利害関係があり、本校の構成員と学外者との間でハラスメントが問題となる場合に適用・準用されます。
① ハラスメントの行為者が本校構成員である場合は、防止・対策規程が適用されます。
〔例〕生徒:学外における学習活動
教職員: 学外で参加する研修会、実習等の引率、会議、出張等
② ハラスメントの行為者が学外者である場合には、防止・対策規程を準用し、本校として解決のために必要かつ適切な措置をとるよう努めます。
4.ハラスメントとは何か?
ハラスメントとは、たとえ無意識であったとしても、相手の意に反する発言や行動によって、精神的不利益や損害を与えたり、または個人の尊厳・人格を傷つけたりして、良好な教育・研究環境、職場環境等の維持を阻害することをいいます。
ハラスメントは、様々な要因が複雑に絡み合って発生します。
そこで、このガイドラインでは、「セクシュアル・ハラスメント」・「パワー・ハラスメント」・「その他のハラスメント」に区分して説明します。もちろん、個人の尊厳・人格を傷つける社会的に許されない発言や行動は、いずれの区分にも明確に当てはまらなくても、すべてハラスメントになります。
(1)「セクシュアル・ハラスメント」とは
相手の意に反する性的な発言や行動によって、教育・研究・職場環境を悪化させたり、相手に不利益や不快感を与えたりすることをいいます。
〔例1〕教員や職員が、生徒や部下に対して評価に影響があることを示唆して、交際等を求めること。
〔例2〕相手の望まない誘いをかけること。食事やデートに執拗に誘うこと。
〔例3〕わいせつな写真を見せたり、絵を描いたり、発言したりすること。
〔例4〕容貌容姿・体型、化粧・服装等について発言をすること。
〔例5〕派手に遊んでいるらしい等のうわさを流したり、からかったりすること。
(2)「パワー・ハラスメント」とは
上位の立場、優越的な関係などを背景として、課外活動や職務関係などにおいて、業務上必要かつ相当な範囲を超えて、身体的・精神的な苦痛を与えたり、教育・研究・職場を悪化させたりする、発言や行動をいいます。
〔例1〕課外活動において、上級生、顧問・監督・コーチ等が、常識的に達成不可能な課題を強要すること。さらに、そのことに対して、下級生や選手が不満を述べた場合、または課題が達成できなかった場合に、レギュラーメンバーから外す等の評価・処遇をすること。
〔例2〕部下や同僚の意見を聞くことなく一方的に過度に叱責し、心理的威圧をし続け就業意欲を低下させること。
〔例3〕不必要な業務・残業を強要し、部下が断ると昇進、評価等に関して不公正な処遇をすること。
〔例4〕就業上の権限を濫用し、昇進や処遇に関して著しく不公正に扱うこと。
(3)「その他のハラスメント」とは
上記のいずれであるとは特定できないものの、個人の尊厳又は人格を否定し、相手または周囲に不利益、不快感、脅威、屈辱感等を与える発言や行動もハラスメント
にあたります。
〔例1〕「男らしくない」、「女のくせに」といった発言をすること。
〔例2〕「男の子」、「女の子」、「おじさん」、「おばさん」等や、「ちゃん」づけで呼ぶことによって、相手や周囲に不快感を与えること。
〔例3〕飲酒やお酌を強要すること。
〔例4〕風評を流布すること。
〔例5〕性別、性指向、年齢、身体的状況ないし特性、民族、出身地、思想信条、職業等個人的属性による差別的言動をすること。
〔例6〕教育指導を理由なく拒否して教育を受ける権利を侵害すること。
〔例7〕常識的に不可能な課題の達成を強要すること。さらに、そのことに対して教育指導を受ける者が不満を述べた場合、または課題が達成できなかった場合に、教育上不当な評価・処遇をすること。
5.もしハラスメントであると感じたら
(1)ハラスメントを起こさないために
自分の発言や行動が、相手に不快感を与えたのではないか、相手の拒否のサインを見過ごしてはいないかなどと、思い直してみましょう。
職務に対する熱意から、相手にとって自分の意図しない不快感を与えることになっているかもしれません。また、この程度のことは許容範囲だ、相手との人間関係は良好だという勝手な思い込みを抱き、相手の不快感に気づいていないかもしれません。相手のサインは明確とは限りません。
常に自分の発言や行動を振り返ることが、「ハラスメントを起こさない」ために重要です。
(2)ハラスメントを起こさせないために
〈自分が不快に感じたら〉
相手の発言や行動を「嫌だな」、「やめてほしいな」と感じたら、それは「ハラスメント」である可能性があります。そんなときは…。
①まず「ノー」と言ってみましょう
「自分が悪い」と思う必要はありません。もし可能ならば、その場で相手に対して、言葉と態度で「自分は望んでいない」こと、「不快である」ことをはっきりと伝えてみましょう。
たとえ「ノー」と言えなくても、自分自身を責めることはありません。
②記録をとりましょう
相手のその不快な発言や行動について「いつ、どこで、誰から、どのようなことを言われたのか、またはされたのか」「その場に誰かが居合わせたのか」など、なるべく詳しく記録をとっておきましょう。その場に誰かがいたときは、その人に、あとで証言してもらえるのか、確認をとっておきましょう。
③相談しましょう
ひとりで悩んだり、我慢したりすることはありません。勇気を出して、家族や、信頼できる友人や同僚・先輩、教職員に相談しましょう。本校にはハラスメント問題の相談を受けるハラスメント相談員もいます。ひとりで抱え込まず、みんなで解決の糸口を探ることが重要です。
〈誰かが不快に感じていると思ったら〉
① 周囲にハラスメントに遭って困っている人がいたら、一緒にその問題を考えたり、ハラスメント相談員紹介窓口や相談員のところへ付き添っていったりするなど、その人の力になるよう努めましょう。
② 状況によっては、注意をしたり、証人となったりするなど、被害を受けている人を支援しましょう。「見て見ぬふりをする」ことは、結果的に「ハラスメントに加担する」ことにつながるのだ、と認識してください。
6.ハラスメント問題の相談
ハラスメントの被害にあったときには、ひとりで悩まないで、誰かに相談しましょう。
本校には、ハラスメント相談員(以下「相談員」といいます。)もいますので、相談員と一緒に解決方法を探りましょう。
ハラスメントを起こしたと疑われて悩んでいる人や、ハラスメントを行ったのではないかと悩んでいる人も、相談員に相談することができます。ぜひ、相談員と一緒に考えましょう。
「ひとりでは行きにくいな」と感じたときには、信頼できる友人などと一緒に相談員のもとに行きましょう。
(1)相談員は
① あなたの話を真摯に聴いて、内容を整理し、問題の所在の把握に努めます。
② あなたが今後とるべき方法を決定する過程において、あなたの意思・立場を最大限尊重しながら助言します。
③ ハラスメントにかかわる事実を話すことは、あなたにとって多大な勇気が必要であると理解していますので、あなたを責めるようなことはありません。
(2)相談員とコンタクトをとるには
本校は、ホームページ・学内掲示等で、相談員の連絡先や連絡方法を公開しています。もちろん、直接、相談員のもとを訪ねることもできますし、手紙、電子メール及びホームページなどでも相談することができます。これらの中で、あなたの利用しやすい方法で相談員と相談してください。
** 相談員紹介窓口 **
庶務管理課または本校保健室:03-3334-1151
※また、在校生は、匿名投稿システム「スクールサイン」でも相談ができます。(令和5年4月1日付記)
なお、本校は、ハラスメントの相談に応じるために、相談員紹介窓口を置き、相談員を紹介しています。相談員も窓口の職員も、あなたのプライバシーを守りますので、最も利用しやすいところへ連絡してください。
(3)相談員の遵守事項
相談にあたって、相談員は次の事項を遵守します。
① 相談者の名誉とプライバシーを守ります。
② ハラスメントの行為者等からの報復を含め、相談者の不利益となることが生じないように十分な配慮(相談の事実が教員、職員、他の生徒、上司、同僚等に知られないようにする等)をします。
③ 在任中及び退任・退職後にかかわらず、職務上知り得た秘密及び情報を決して漏洩しません。
7.問題の解決に向けて
ハラスメントと感じる出来事に遭い、相談員に相談しても解決の糸口が見つからなかった場合には、本校に設置されているハラスメント防止・対策委員会(防止・対策委員会)に対して、調停や調査などを依頼する「申立て」の手続きをすることができます。防止・対策委員会は、申立てがあったことを校長に報告します。
「申立て」の方法や、「申立て」を行った後の手続きなどについては相談員に確認して、手続きを行うかどうかを冷静に考慮してください。この過程においても相談員はあなたの考えを真摯に受け止め、問題の解決に向けての支援をします。
(1)「申立て」をするには
被害を受けたと感じた本人が、防止・対策委員会に対して、書面で申立てをします。
本人が、何らかの事情で申立てができない状況にある場合は、本人に代わって家族(保証人)が、申立てを行うこともできます(以下、申立てを行う者を「申立人」、申立てをされた者を「被申立人」といいます)。
(2)「申立て」の種類
① 通 告:防止・対策委員会を通じて、苦情があることを被申立人に通告することで解決を求めるものです。
② 協議・調停:申立人が、被申立人との話し合いによる解決を求めるものです。防止・対策委員会が設置する調停委員会は、その話し合いに立ち会うなど、援助をします。
③ 調査と認定:事実関係の調査と、それに基づいてハラスメントの認定によって解決を求めるものです。
(3)申立ての期限
申立ては、ハラスメントが最後に行われたときから原則として1年以内に行ってください。長い時間が経過すると、事実関係の確認に時間を要し、新たな被害が生まれないとも限りません。生徒が学籍を失った場合、または教職員が離職した場合にも、在籍中または在職中に受けたハラスメントが最後に行われたときから、原則
として1年以内に行ってください。
(4)被申立人への通知
上記「(2)『申立て』の方法」のうち、②協議・調停、③調査と認定の方法による申立てがなされた場合には、防止・対策委員会が必要と判断した時点で、被申立人に申立てがあったことを通知します。また、いずれの申立ての方法でも、公正を期すために、被申立人からも事情を聴取し、事実関係の確認を行うことがあります。
(5)緊急時の勧告
申立てがなされた時点、あるいは協議・調停及び調査等の途中でも、ハラスメントの疑いのある言動が継続しており、緊急性があると認められる場合には、防止・対策委員会は、校長と協議の上、ただちに当該言動をやめるよう勧告することができます。
8.「申立て」の方法
調停や調査などを防止・対策委員会に依頼する「申立て」の方法を、以下に示します。
「申立て」は、申立人が郵便又は電子メールにより、ハラスメントに該当する具体的事実を5W1H(いつ,どこで,誰から,どのような言動をされたか,どのような被害が生じたかなど)が記載された申立書面を「防止・対策委員会委員長」宛に送付する方法で行います。
なお、当該事実を裏付ける証拠資料があれば、これを添付してください。
また、申立人が、相談を担当した相談員に申立書面を提出し、相談員より防止・対策委員会へ提出する方法を採ることもできます。
さらに、以下に示す「申立て」の結果に対して申立書面を提出する場合は、それぞれの「申立て」の中に示す提出方法を採ることもできます。
(1)「通告」による方法
「通告」は、苦情があることを被申立人に通告し、被申立人が自発的にハラスメントを行わなくなることにより解決することを求めるもので、以下の手順で進みます。
① 防止・対策委員会は、通告を行うことがハラスメントの解決に有効だと判断した場合には、申立てのあった事案に関わるハラスメント調停委員会(調停委員会)を設置します。
② 調停委員会は、被申立人に対し、苦情の申立てがあったことを文書で通告します。
③ 被申立人が通告を受けることを拒否する、または、通告の内容について不服がある場合は、調停委員会から申立人にその旨を通知します。申立人はその通知を受けてから1か月以内であれば、通告の申立てを行った事案について、「協議・調停」の申立てか、「調査と認定」の申立てをすることができます。
〈「通告」に関する留意点〉
※ハラスメントの事実に関する調査は行いません。
※申立てに基づくハラスメントの認定や改善命令は行いません。
(2)「協議・調停」による方法
「協議・調停」の申立ての申立書面の提出は、通常の提出方法のほか、申立人が、「通告」の申立ての結果に対して「協議・調停」の申立てを行う場合は、調停委員会に対して申立書面を提出し、調停委員会より防止・対策委員会へ提出するという方法を採ることもできます。
「協議・調停」は、申立人と被申立人との話し合いによる解決を求めるもので、以下の手順で進みます。
① 防止・対策委員会は、被申立人の同意を得て、申立てのあった事案に関わる調停委員会を設置します。
② 協議では、当事者間の話し合いによる合意を目指します。この段階では、調停委員会は調停案の提示は行いません。
③ 申立人、被申立人または調停委員会が協議による合意が困難であると判断した場合、調停委員会から調停案を提示し、当事者が話し合うことで合意を目指します。
④ 当事者間が合意に達した場合、調停委員会は合意文書を作成し、これを防止・対策委員会に報告します。
⑤ 防止・対策委員会は、教育機関としての観点から合意内容を確認の上、以下のことを行います。
イ)確認の結果を当事者に通知します。
ロ)必要なときには対策案を作成して校長に報告します。
ハ)合意内容について、調停委員会に修正を求めることがあります。
⑥ 防止・対策委員会は、協議・調停が成立しなかった場合、または合意がなされなかった場合には、その旨を申立人に通知します。申立人は通知を受けてから1ヶ月以内であれば、防止・対策委員会に「調査と認定」の申立てをすることができます。
〈「協議・調停」に関する留意点〉
※協議・調停の進行中、当事者はいつでも手続きを打ち切ることができます。また、調停委員会は、原則として1回目の協議・調停から1ヶ月が経過しても当事者間に合意が成立しなかった場合、協議・調停を終了させることができます。
※協議・調停の進行中、調停委員が事実をゆがめる行動をしたり、客観性を欠いた進行をしたりするなど著しく申立人の立場を阻害した場合、申立人は直ちに当該調停委員の交代、または調停の打ち切りを申し出ることができます。
(3)「調査と認定」による方法
「調査と認定」の申立ての申立書面の提出は、通常の提出方法のほか、申立人が、「通告」の申立ての結果に対して「調査と認定」の申立てを行う場合は、調停委員会に対して申立書面を提出し、調停委員会より防止・対策委員会へ提出するという方法を採ることもできます。
また、申立人が、「協議・調停」の申立ての結果に対して「調査と認定」の申立てを行う場合は、調停委員会に対して申立書面を提出し、調停委員会より防止・対策委員会へ提出するという方法を採ることもできます。
「調査と認定」は、ハラスメントに関する調査とそれに基づく事実認定によりハラスメントの解決を目指すもので、以下の手順で進みます。
① 防止・対策委員会は、調査と認定による申立てが有効であると判断した場合に、申し立てられた案件に関する事実関係を調査するための「ハラスメント調査委員会」(調査委員会)を設置します。
② 調査委員会の構成は、客観性、中立性、公平性の確保のため、職階、職種、所属、性別等に配慮します。
③ 当事者は、調査委員会の委員について、調査が公正に行われないと思われる次に掲げる場合には、委員の交代を申し出ることができます。
一 調査委員会の委員が、事案の当事者であるとき
二 調査委員会の委員が当事者の四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族であるとき、又はあったとき。
三 調査委員会の委員が当事者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。
四 その他委員と当事者の間に,調査の公正を妨げるべき事情があると防止・対策委員会が認めたとき。
④ 調査委員会は、当事者だけではなく、必要に応じて事案の関係者からも事情を聴き取り、これをもとに迅速な事実関係の解明に努めます。調査完了時には、調査結果を防止・対策委員会に文書で報告します。
⑤ 防止・対策委員会は、調査と認定の申立てから原則として2か月以内に、調査委員会の報告に基づいて、ハラスメントにあたるか否かを認定します。なお、委員長は必要に応じて認定の期限を延期することができます。また、防止・対策委員会は、認定に際し、当事者から事情を聴取することがあります。
⑥ 防止・対策委員会は、ハラスメントにあたると認定した場合、必要かつ適切な措置が行われるよう対策案を作成し、運営委員会に報告します。
⑦ 防止・対策委員会は、ハラスメントにあたるか否かにかかわらず、認定の結果を当事者に通知します。当事者は、その結果について不服がある場合、通知を受けてから1 週間以内であれば、校長に対して異議申立を行うことができます。運営委員会は、当該申立てに関わる調査と認定が適切か否かを判断し、当事者に通知します。
〈「調査と認定」に関する留意点〉
※調査にあたっては、当事者及び関係者の名誉、プライバシーなどを侵害することのないよう最大限の注意を払います。ハラスメントの認定以前に、加害者、被害者などの予断を持って調査を行うことはありません。
※調査の過程で、被申立人から「申立人との同意があった」「申立人に対する通常の指導の範囲内だった」などの抗弁がなされた場合、その証明責任は、被申立人にあります。
※調査と認定の申立てがない場合であっても、運営委員会として緊急の措置が必要と判断した場合には、防止・対策委員会が手続きを開始することがあります。この場合、申立人にあたる当事者に、原則として同意を得ます。
9.校長による措置
校長は、ハラスメント問題の協議・調停や、調査委員会の設置、ハラスメントの認定とその対応策案、等に関して、防止・対策委員会からの報告を受け、適切な措置をとります。
(1) 協議・調停における合意に関して、本校としての措置が必要な場合には、校長は、防止・対策委員会からの報告に基づき、すみやかにこれを実施します。
(2) 当該事案がハラスメントであると認定された場合には、校長は、申立人の教育・研究、課外活動、修学、就労の環境改善にむけ、本校としての必要かつ適切な対応策を講じます。また、被申立人に対しては、就業規則、学則等の定めるところにしたがい、必要な措置を講じます。
(3) 防止・対策委員会からの報告を受ける前であっても、校長は本校の危機管理の統括者として、運営委員会において協議の上、必要な措置をとることがあります。
10.復帰に向けた支援
校長は、ハラスメントに遭い通常の生活を送ることが困難になった者に対して、それぞれの状況を考慮した上で、校医・産業医との面談を行うなど復帰を実現するためのさまざまな方策を講じて、復帰に向けた支援を行います。
ハラスメントとなる行為をしてしまった者に対しても、復帰に向けた教育的指導や支援策を実施します。
11.新たな問題を生じさせないために
問題の解決のためにも、また、そのことから派生するハラスメントを含む新たな問題を生じさせないためにも、申立人、被申立人及びハラスメント事案の関係者に対し、本校は以下の行為を禁止しています。これらの行為を行った場合は、学則や就業規則等による処分対象となることがあります。
(1) 虚偽の相談や申立てを行うこと。
(2) ハラスメントに関する相談や申立てを妨げること。
(3) ハラスメントの相談や申立てを行ったことを理由として、相談者、申立人、被申立人等に対して、不利益な扱いをすること、あるいは、報復的な言動や差別的な言動を行うこと。
(4) 当該事案に関する調査等に際して、虚偽の申出や発言等を行うこと。
(5) 当該事案に関して知り得た情報を漏洩すること、または、不当な目的に利用すること。
12.ハラスメントを起こさないための心掛け
本校のすべての構成員は、修学環境、教育・研究・就労環境を良好なものにするために、一人ひとりが互いの人格的尊厳を守らなければなりません。しかし、自分自身の価値観にとらわれすぎた結果、時に、相手の心を傷つけたり、他人に不快な思いをさせたりすることもあります。
したがって、ハラスメントを起こさないためには、性別、年齢、身体的特徴はもちろん、生育環境や価値観の異なる、多様な人格を持った一人ひとりが、等しく人格的尊厳を持つ者同士として、互いの差異を認め合うことが大切です。ハラスメントは、誰もが、加害者にも被害者にもなる、決して傍観者ではありえない身近な問題なのです。
目の前の人を大切に思い、ハラスメントを自らの問題として受け止めてください。
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生徒の皆さんへ
(1) 人と人のつながりを大切に!
本校は、学びの場であるとともに、多様な価値観を持っている人々との出会いをとおして、人格が形成される場でもあります。友人や先輩・後輩、教職員などと、さまざまなつながりを持つことにより、相手を認めることを学びましょう。現実の社会には、リセットボタンはありません。バーチャルな世界ではなく、現実のキャンパスにおける人と人とのつながりを大切にしましょう。
(2)「自分とは違う」と思っても…
私たちが出会う人びとは多種多様です。そしてひとつの言動に対しても、その受け止め方は人それぞれです。「どこか自分とは違う」、「わかってくれない」などの理由で、誰かを心理的・身体的に圧迫・排除し、せっかくの関係を壊す振る舞いは、「自分らしさ」の主張とは別のものです。
自分とは異なる考え方や趣味を持った人と交流することは、相手をより深く理解するだけではなく、自分自身の価値観を広げることにもなります。
(3)見直し、聞き直し、思い直そう!
自らの言動を、日々振り返りましょう。「生徒だから」、「好意なのだから」といって、「これくらいならば許されるだろう」などと、自己中心的な判断や、独りよがりの感覚で、相手の人格を無視してはいないでしょうか。
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教職員の皆さんへ
(1) 他人の人格に配慮しましょう!
本校では、その社会的使命を果たすうえで、必然的に、指導・指示など、必ずしも人と人との間に対等ではない関係性が存在します。私たちは、そのことを踏まえたうえで、改めて「目の前の相手にも、自分と等しい尊厳をもった人格がある」ことに配慮した言動を、つねに心がける必要があります。
(2) 日ごろから理解しあえる環境をつくりましょう!
本人の意図にかかわらず、その言動が、受け取る人に不快感をあたえることがあります。ハラスメントを防ぐためには、日ごろから適切な人間関係を築き、お互いが信頼し理解しあえる環境をつくることが大切です。
(3)自らの言動を振り返りましょう!
教育・研究・就労などの環境が良好となるよう努めるとともに、自らの言動を日々振り返ることで、「ハラスメントを防止する」という意識を高めあいましょう。特に、指導や監督する立場にある人は、教員と生徒、上司と部下などの間には、力関係が存在していることを理解して、コミュニケーションをとるよう注意しましょう。
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「毎日を過ごす場所であるからこそ、快適な環境であってほしい」、それが、本校に集う全員に共通する願いです。
一人ひとりが、今より少しだけ相手の気持ちを推し量る、自分自身を振り返る…そんな小さな積み重ねが、快適な環境をつくりあげていくのです。