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視線の行方 〜女子部高校2年〈修学旅行〉を前に〜

2019年3月7日

九州を縦断する男子部に対して、女子部は京都から奈良を経て伊勢にいたる、いわばこの国の、心の「ふるさと」を辿る旅路です。
 
その中でも、かつて「京」(みやこ)のおかれた「南都」(奈良)と「北都」(京都)。
いろいろな意味で対照的な両者ですが、ここでは「仏像」のあり方に注目してみたいと思います。
 
 

  〜東大寺:大仏殿  昨年の修学旅行より〜 (2018.3月)
 
まずは、時代の流れに沿って「南都」からは、なんといっても「東大寺」の「大仏様」。
昭和大改修成った大仏殿に一歩足を踏み入れるや、その仰ぎ見る大きさに誰しも感嘆の声を上げ圧倒されることでありましょう。
まさに、国分寺総本山としての威風を漂わせて余りある堂々たる存在感です。
 

 〜比叡山より「近江の海」琵琶湖を望む〜 (2019正月) 
 
一方、時代は下り、それまで、時の権力者や国そのもののためにあった仏教を、なんとか衆生の民の救済に役立てたいと、「街」からあえて「山」に入った最澄によって開かれた延暦寺。
その東塔に位置する根本中堂の造りは、数ある寺社仏閣の中でも実に独特な佇まいです。
参拝者が入ることのできる「中陣」は、御本尊である秘仏「薬師如来像」が安置され僧侶が朝な夕な修行するための「内陣」よりも、なんと3メートルも高く設けられているのです。
そのため、私たちはいやが上にも、否、恐れ多くも如来と同じ目の高さで相対することになるのです。
 
  見上げるか
  見つめ合うか
 
視線の行方というものが、時代を反映してこれほどまでに異なるとは実におもしろいことです。

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