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「何もしないということ…」 @男子部中学2年 〈今、私の思うこと〉 全体発表会

2017年2月21日

昨日の高校1年《弁論大会》に引き続き、今年もこの時期恒例となった中学各学年での〈今、私の思うこと〉全体発表会が始まりました。
今日は「男子部中学2年」がそのトップバッターをつとめました。
   
昨年と比して今年は、さらに一日の長を感じさせる2年生。
ものごとを決して一面でとらえるのではなく、多角的かつ複眼的に思索した結果、行き着いた発表ばかりでした。
まもなく迎える新学期には、いよいよ「久我山中学校」の最高学年となる彼らの牽引力に期待したいと思います。
  
 
以下、発表順にその要旨に所感を添えて…。 
 

 
◆ K.O(3組) テレビやゲームのない生活

  
…一時的にテレビやゲームのない生活というものを実践してみた。それにより、気づいたことはテレビやゲーム以外にも楽しいことがたくさんあるということ。例えば、散歩。それまで知らなかった景色やお店の存在に気づくことに。しかし、一方でストレスがたまり些細なことで親子ゲンカに発展することにもなってしまった。結局のところ、テレビもゲームもあった方がいいが、あまり夢中になり過ぎず、他に目を向ける工夫も忘れないようにしたい。
 
(所感)知らないことはまだまだたくさんある。知った気でいることも。一旦有るものを手放し無にしてみてはじめて見えてくることも多い。そうした発見の多くは身体を使ってのものゆえ、貴重な体験として感動と背中合わせだ。 
 
 
 

 
◆ M.K(5組) 絶滅危惧種と人間

 
…この地球上で急速に進む絶滅危惧種の増加。そのほとんどが人間の生活と無縁ではない。例えば、住宅地の確保のために森を切り開いたことで住処を追われる形となったパンダや、角の乱獲によるサイの減少など、人間の関わりがその要因であることは否めない。私たちは今こそ自らの生活を変えなければならない。それもまずは身近なところから。節電に始まりゴミの減少やリサイクルなど、他の生物との共存を目指して一人一人の小さな努力が求められている。
 
(所感)人間中心主義に陥る要因は、他の生き物との直接的なふれあいの機会が極端に減少していることといえようか。寺山修司風にいうなら、私たちは今こそ「書物」を携えつつ、あえて「森」へ入らねばならないのではないか。 
 
 
 

 
◆ K.T(2組) 権利は何処に

 
…昨今目立つのは、度の過ぎた要求をしてはばからないモンスター消費者の存在だ。このことは政治の世界にあってもしかり。アメリカ大統領選で盛んに聞かれた「アメリカ・ファースト」という主張は、この「消費者一番」という考え方に通底している。『大衆の反逆』の著者オルティガは言う。高貴なる人とは権利の主張の前に義務を果たす人であると。権利の主張が、果たして自分だけのものになってはいないか、他者の存在を脅かしてはいないかを常に検証することが肝要であろう。
 
(所感)権利は行使してこその代物であり、その所有者として安住してしまっていてはいつしかその権利を喪失する危険性が潜んでいる。一方、その行使が他の人の権利をおかしていないか常に検証する冷静さを失うまい。
 
 
  

 
◆ D.M(1組) 優先席って座っていいの?

 
…優先席は、座っていた方が安全を確保できるという利点がある。しかし、一見してそれとはわからない社会的弱者の存在に気づかず結局席を譲ることができずにいるという欠点もある。また、かつてバス内で年配の方に席を譲ろうとしたものの、断られたという苦い経験も。世の中には、いろいろな考え方の人がいる。理想はやはり、優先席のような特別な席を作らずとも、お互い自然に譲り合えるような社会を目指したいものである。
 
(所感)何事も「特化」することで他を守らんとする思いやりや優しさを、さらに一歩進めて「特化」することなくして他者を互いに思いやることのできるやさしい社会の実現を目指したいものであるが…。
 
 
  

 
◆ S.T(4組) 誤善

 
…善とはなんだろう? 席を譲ること? 被災地に千羽鶴を贈ること? よくよく考えてみるに、仮に席を譲り受けても相手は何かモヤモヤとした気分を味わうこともあろうし、被災者がそのとき本当に望むものは生き延びるための食料の方かもしれない。ゆえに世の中にみられる多くの善的行為の多くはありがた迷惑なのではないか。ならばどうすべきか。それは「何もしないということ」。相手の為にあえて何もせずただただその心に寄り添うことが最善なのではないか。
 
(所感)メンタルケアの基本として「傾聴」というものがある。悩める対象に対して、あえて意見をしない、答えを求めない、ただひたすら、相手の心に寄り添うのである。されど、言うは易く行うは難し。
 
 
 

 
 
 
 

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