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『考える葦』として@高校1年《弁論大会》

2017年2月20日

 
 
各クラスの予選を通過した代表、12名の弁士が個性豊かに持論を展開した高校1年『弁論大会』
 
  そのテーマは、身近な出来事から、政治、歴史、文化、哲学に至るまでなど、実に多彩な内容で聴く者をうならせる内容ばかりでした。

  
  『人間は一本の葦に過ぎず自然の中で最も弱いものである。
  だがそれは、考える葦である。』   (パスカル)

 
せわしく追い立てられるように過ぎゆく日々にあって、
こうして時に歩みを止めてじっくりとものを「考える」ことは、
より人らしくあるために大切なこころがけであるに相違ありません。
 
 
 ※ 以下、発表順にその要旨に所感を添えて…。
 
  
 1 男子1組 S・M 【特別賞】『好きなことで生きていく−You Tuberという仕事−』
 
今や億万長者も夢ではない「You Tuber」。小学生の人気ランキングでも上位を占める仕事の一つだが、時間も労力も並大抵のことではなく、なによりそのセンスは相当に高いものが要求される。それにも関わらず社会的地位は決して確立されてはいないのが現状だ。私たちは、今後こうした急激な新興産業にどう向き合うべきなのだろうか。
 
(所感)「好きこそものの上手なれ」とも。生活のため?それとも好きだから?あらためて「仕事」とは一体なんなのかを考えさせられたひと時。
 
 
 2 男子3組 Y・S 【優秀賞】人に支えられて
 
自分の存在そのものを深く考えることで、とかくネガティブな思考に陥ることの多かった日々。そうした中、自分だけでなく誰もが心に闇を持っていることを知る。その闇はその人の弱さなのか。しかし、どんな人であっても、愛や優しさ、さらに周囲にいるかけがえのない人の存在に支えられているということを見落としてはならない。
 
(所感)「大切なものは目に見えない」とは月並みだが、それは愛であり優しさであり、なによりそれらを与えてくれる身近な人の存在なのかも知れない。
 
 
 3 男子2組 T・A 【最優秀賞】世界との向き合い方
 
先日のアメリカ大統領選を通じて、あらためて世界との向き合い方について日常的な事柄から外交に至るまで考えさせられた。なにより大切なことは、人を何かの枠に当てはめて考えてしまう偏見をなくすこと。ついで他人の言いなりにならず自分の意見をきちんと貫けるようにすること。留学のチャンスやネット社会に生きる私たちにはそれができるはずだ。
 
(所感)「偏見」をなくすためには多くを学ぶことが肝要であり、「意見」をしっかりともつためには自分自身を磨かなければならない。そうあらためて実感。
 
 
 4 男子5組 R・H 【優秀賞】生き方
 
幸せとは何か。お金か、高級車か。しかし一方でそれらがなくとも幸せという人がいる。自分のやりたいことができることと答える人もいる。ある本に「どんな道を選ぶかではなく、選んだ道でどう生きるかだ」とあった。思えば、今の自分は過去の様々な選択と生き方の結果だ。選択だけでは人は幸せになれない。全てはその後の生き方にかかっているのだ。
 
(所感)「刹那に生きる」と言った作家がいます。決してそれは刹那主義ではなく、今を懸命に生きることこそが自分の選んだ道への責任なのかも知れない。
 
 
 5 男子8組 N・Y 音楽の力
 
私は音痴であるが、音楽がなにより好きだ。音楽のない生活は考えられないのだ。現在、この音楽が認知症の緩和や犯罪の抑止に大いに役立っているとの事例が報告されている。こうした心理療法といった側面のみならず、昔から音楽は人に夢と感動を与え続けている。このように音楽が人に与える力には計りしないものがある。
 
(所感)ジャンルは異なれど、音楽のない生活を送る人がいるだろうか。時に往来の人声が、風の音が、波のせせらぎがすべて自然の奏でる音楽となる。
 
 
 6 男子4組 Y・S 零
 
零は実に美しい。それはおそらく存在していないのに存在しているからであり、終着点でもあり出発点でもあるという相反する世界を持っているからか。零の起源は紀元前のインドと言われる。その後、多くの哲学者もこの零に惹きつけられてきた。零で割ることは無限化でもあり、それはブラックホールに通じる。今後もその謎の解明に努めたい。
 
(所感)零に限らず、私たちは相反するものの微妙なバランスの中で生きているのかもしれない。この意識こそが絶対的な思考に再考を求めうる。
 
 
 7 女子3組 M・T ジャパニーズ
 
クリスマスやお正月の過ごし方を外国人から尋ねられてあらためて日本人とはなんなのかを考えてみた。さらに進めて外国の人たちが本当に知りたいことは伝統文化以上にありのままの今の私たちなのではないかということも。2020年のオリンピックは私たちの世代にとってはあくまでゴールではなくチャンスの時。よりアンテナを広げ自分の視野を広げていきたい。
 
(所感)とかく帰属する民族の枠組みの中で何事も捉えがちだが、大切なのは、何にも頼らずに自力で成し遂げようとする姿勢なのかもしれない。
 
 
 8 女子4組 T・F 【優秀賞】汝の敵を愛せよ
 
「汝の敵を愛せよ」この教えを初めて耳にした時、それは理想に過ぎず実行は不可能なのではないかと思った。家族を死に追いやった人やいじめてくる人を果たして愛することができるのだろうか。日常は小さな敵ばかり。だからといって憎しみにとらわれ続ける人生が果たして幸せといえるのか。愛することは難しくとも互いにゆるしあうことこそ…。
 
(所感)「ゆるす」ということのベクトルは相手に向かっているようでいて、実のところ自分自身にも非があると自覚することに通じているとは辛い気づき。
 
 
 9 男子7組 D・K 意識と行動
 
しっかり勉強して頑張ろうと思ってきたことは数知れず。しかし、その目標は達成されたためしがないのが現状だ。それでも、意を決して部活動に一区切りをつけて自分を追い込んだ。それによって、周囲からは少し良くなったとの評価を得ることができた。大事なことは意識しただけでなくそれを具体的に行動に移すことにほかならない。
 
(所感)「実践」を通してはじめて、その人が何を「意識」していたのかを知ることができる。ならば、人間性もまたその人が何をしたかで香り立つ。
 
 
10 女子1組 K・M たったひとことのプレゼント
 
親孝行とは一体どういうことを指すのだろうか。例えば、年老いた親を介護することもその一つかも知れない。また離れて暮らす親に仕送りをすることも。目に見える形にしろそうでないにしろ、これらが本当に親の望むことなのだろうか。自分が親になった時のことを思い描いてみる。「ありがとう」と言ってもらえることにまさるものはないのではないか。
 
(所感)あらためて、「ありがとう」という言葉の力を痛感。見返りを期待した時、その関係性は崩れていくものであることも。たとえ親子でも兄弟でも。
 
 
11 女子2組 H・K 【優秀賞】なぜ話を聞かないのか?
 
「保育施設の問題についてあなたはどう考えますか」こうした社会的な問題に耳を貸さない人は多い。それはおそらく人は自己中心的であるということや、いつか死んでしまうという思いに起因するのではないか。それらは人と違うことや、生きることを臆病にする。しかし私たちはそんな不安にも、胸を張って自分らしく生きていくことが大切なのではないか。
 
(所感)社会の一員として意識するとき、自分をうまく調和させることに思いの矛先が向くもの。それでも人は、あくまで自分らしく生きようとする。
 
 
12 男子6組 R・H マティス氏
 
「人殺しが好きだ」などという危険分子を社会は排除するだろう。しかし、この度の新たなアメリカ大統領の側近とされる国防長官はアフガンの民をして「5年間妻を殴り続けた夫を撃つのは楽しい」と公言したことがある。今、日本に限らず危機的な状況にあると思われるのは、こうした人間が存在しているだけでなくかえって高い評価を得ているという現実だ。
 
(所感)社会の動きに対して敏感であること、毅然として自分の意見を主張すること、そのためには、真贋を見極める目を養わねばならない。
 
 

                   〜 表彰式の一コマより 〜

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